2026-08-04 / 読了 6分
毎月の不動産ST市場の動きを、募集・発行・制度の3つの視点で記録する月次サマリー。毎日更新。今月は新しいアセットマネージャーの参入と、START市場の売買が細った7月の実績から始まる。
SMBC信託銀行は8月3日、「ウェルス・リアルティ・トークン シックスセンシズ京都(譲渡制限付)」の有価証券届出書を提出した(EDINET書類番号S100YTNX)。アセット・マネジャーはウェルス・リアルティ・マネジメント、委託者は合同会社WRMST1号で、発行数27,274口・発行価格1口1,000,000円、発行価額の総額は261億8,304万円。引受人は野村證券が単独で27,274口を引き受ける。申込期間は8月19日〜28日、払込期日(信託設定日)は9月1日、受渡は翌9月2日である。
投資対象は京都市東山区妙法院前側町431番地のラグジュアリーホテル「シックスセンシズ京都」(2023年11月建築・客室81室・延床11,169.61㎡・敷地4,857.76㎡)。鑑定評価額は508億円(価格時点2026年6月1日・日本不動産研究所)で、直接還元法51,400百万円/DCF法50,100百万円、還元利回り(NCF)3.6%・割引率3.3%と記載されている。運営純収益(NOI)は20億2,929万円、純収益(NCF)は18億5,094万円。信託設定日における不動産価額は465億円である。
賃貸借はテナント1社のパス・スルー型マスターリースで、賃借人は京都妙法ホテルオペレーションズ(アセット・マネジャーの親会社であるウェルス・マネジメントの孫会社)。月額賃料は前月のホテル運営利益(GOP)からホテルオペレーターへの運営手数料等を控除した「フィー控除後GOP」に連動する完全変動賃料で、マイナスの月の賃料はゼロとなり翌月に繰り越される。ホテル運営はIHG Japan Management合同会社が受託し、契約期間は2023年12月15日から2044年12月31日まで。物件全体の賃貸稼働率は2024年・2025年とも100.0%と記載されている。
借入はレンダーが三井住友信託銀行で、タームローン232.5億円と消費税ローン11.29億円(いずれも円TIBOR基準の変動金利)。タームローンの予定返済期日は2031年9月1日、最終返済期日は2033年9月1日である。届出書はLTVについて財務制限条項を設ける旨を記載するのみで具体的な数値の記載がないため、当サイトは独自計算した比率を掲載しない。信託計算期日は2027年7月末日を初回とする毎年1月・7月の各末日で、分配金支払日は計算期日の翌々月応当日。当初運用期間は2031年7月期末までで、信託期間満了日は2034年7月31日。予想分配金利回りは届出書に記載がなく、公表を待って収録する。
当サイトの収録ベースでは、発行価額の総額261.8億円は汐留シティセンター(314.1億円)・W大阪(291.5億円)に次ぐ3番目、鑑定評価額508億円も汐留シティセンター(1,147.4億円)・大阪堂島浜タワー(583.0億円)に次ぐ3番目の規模となる。ウェルス・リアルティ・マネジメントは2024年11月の「イビス大阪梅田」で三井物産デジタル・アセットマネジメントとの共同運用として関与しているが、自社ブランド「ウェルス・リアルティ・トークン」での組成は本件が初めてである。
ODXは8月3日、2026年7月のSTART月次レポート(不動産ST)を公表した。7月の月間売買代金は8,144,330円、月間売買高は98口、1日平均売買代金は370,196円。6月(売買代金37,655,390円・471口・1日平均1,711,608円)から大きく減り、レポート掲載の月間推移グラフ(2025年8月〜2026年7月)では最も低い水準となっている。5月の13,573,340円・154口も下回った。
銘柄別の月間売買代金は、KDXST名古屋栄ビルが3,185,000円で最も多く、いちごRT西麻布・代々木他5件2,237,000円、いちごRT芝公園・東新宿他4件1,771,970円、KDXSTドーミーイン神戸元町596,310円、トーセイST3市ヶ谷273,540円、いちごRT仲之町・小日向他5件80,510円と続く。三井物産G三重イオンタウン鈴鹿は5月・6月に続いて7月も0円で、各月次レポートで3か月続けて売買代金が計上されていない。
一方、月末時点のSTART時価総額(発行済数量×基準価格)は207.5億円で、6月末の202.8億円から増加した。売買代金と時価総額が逆方向に動いたことになるが、START市場は売買が薄く、少数の約定でも基準価格が動きうる点には留意が必要だ(時価総額は基準価格の変動を反映する)。
ODXが8月3日の取引終了後に公表した基準価格(一覧の最終更新は2026年8月3日19:00:25)では、7月31日終値からの変動は4銘柄。いちごRT西麻布・代々木他5件が74,000円→73,990円(-10円)、KDXST名古屋栄ビルが90,990円→91,000円(+10円)、トーセイST3市ヶ谷が96,510円→96,500円(-10円)、いちごRT仲之町・小日向他5件が80,520円→80,490円(-30円)となり、KDXSTドーミーイン神戸元町・いちごRT芝公園・東新宿他4件・三井物産G三重イオンタウン鈴鹿は横ばいだった。1口当たり基準価額(直近公表)・次回予想分配金・発行済数量・保有者人数は全7銘柄で前回記録から変更がない。
いちご2銘柄(1A0C・1A0D)は7月31日に2026年7月期の権利確定日が到来したが、8月4日時点でも発行者公式の分配金ページは同期を予想(芝公園ほか743円・西麻布ほか495円)のまま掲載しており、確定分配金は未公表である。当サイトは一次資料での公表を待って「分配・元本トラッカー」に記録する。
EDINETの漏れ候補監査で未収録だったシックスセンシズ京都(fundCode G15988)を検知し、届出書の物件所在地で既存収録銘柄との同一性を確認したうえで新規収録した。既存の京都ホテル案件「ホテルトークン 悠洛・京都三条」(ダーワ・悠洛 京都/東山区三条通大橋東入大橋町84)とは別住所の別案件である。これにより当サイトの収録は78銘柄となった。
本記事は制度・実務の一般的な解説であり、特定銘柄の推奨・投資助言ではありません。個別の税務判断は税理士等の専門家にご確認ください。