2026-07-17 / 読了 6分
レジデンスとホテルの市場だったSTに、商業施設・物流が加わった。年末には利益超過分配の税制整備が大綱入り。収録15銘柄・約667億円。本稿は2026年7月に、当サイトの収録データ(一次資料由来)と公表資料をもとに回顧として執筆した記録である。
2024年2月、栃木・那須ガーデンアウトレットを対象とする公募ST(114.5億円)が発行完了。国内初の商業施設STであり、地方・大型・商業という3つの「初めて」を一度に通した案件だった。当サイト収録ベースで2024年は15銘柄・判明発行額約667億円と、1件当たりの大型化が鮮明になっている。
秋には三井物産DAMのイオンタウン鈴鹿など商業の後続も登場し、レジデンス・ホテル偏重だったアセット構成が広がった(現在の構成は当サイトの市場統計で確認できる)。
業界が要望し続けてきた利益超過分配の税制上の課題——元本の払戻しにまで配当課税される問題——について、12月27日閣議決定の令和7年度税制改正大綱が「元本の払戻しとして整理する」方針を明記した。J-REIT並みの取扱いに近づくこの整備は、償却系アセット(ホテル・物流)の商品設計を解放する布石であり、市場の声が制度に反映された最初の大きな事例になった。
一方で、GK-TK型(匿名組合)の雑所得課税の見直しは大綱に載らず、スキーム間の税制格差は残された——受益証券発行信託型への一極集中を強める方向に働く決着である。
本記事は制度・実務の一般的な解説であり、特定銘柄の推奨・投資助言ではありません。個別の税務判断は税理士等の専門家にご確認ください。