2026-07-17 / 読了 7分
2025年度の公募ST発行は単年1,650億円・累計3,333億円(業界公表ベース)へ跳ねた。そして2026年4月、利益超過分配の新税制が適用開始——市場は「量の拡大」と「制度の成熟」が同時に進む局面に入った。本稿は2026年7月に、当サイトの収録データ(一次資料由来)と公表資料をもとに回顧として執筆した記録である。
当サイト収録ベースで2025年(暦年)は20銘柄・判明発行額約1,244億円。6月のKDX物流3物件(121億円)など大型案件が常態化し、野村證券のまとめでは不動産ST発行総額は2025年5月末に累計1,600億円を超えた。年度ベース(業界公表)では2025年度単年1,650億円・公募ST累計3,333億円に達し、市場は「珍しい商品」から「不動産ファイナンスの選択肢」へ移行した。
周辺でも、8月にJPYC社が資金移動業に登録し、円建てステーブルコインによるST決済(DVP)への道が見え始めた。約定から決済までをブロックチェーン上で完結させる将来像に、決済側のピースが埋まりつつある。
3月、証券各社が対象銘柄の保有者に分配金取扱い変更を通知。4月1日、令和7年度税制改正が適用開始となり、利益超過分配(元本の払戻し)はみなし譲渡として取得価額を調整する新実務が始まった。確定申告に使う「元本減少割合」はAMのウェブサイトで公表される運用となり、当サイトは分配・元本トラッカーで公表状況の記録を開始している。
発行も止まらない。収録ベースで2026年は7月までに9銘柄・約433億円。7月には大和ハウス初のLogiトークン(77.3億円)が募集中で、発行体の新規参入も続く。詳細は月次「今月のST市場」で毎月記録していく。
本回顧シリーズの執筆時点で、START上場は7銘柄、その全てが基準価格でNAVを下回る(乖離▼5〜33%)。発行市場の急拡大に対して、二次流通の価格形成はまだ入口にある——この乖離がどう収斂していくかが、次の数年の市場の主題になるだろう。当サイトはトップページのマーケットボードでこの数字を基準日つきで記録し続ける。
本記事は制度・実務の一般的な解説であり、特定銘柄の推奨・投資助言ではありません。個別の税務判断は税理士等の専門家にご確認ください。