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公募ST累計(2025年度末)3,333億円▲1,650ST市場残高(推計)1兆531億円▲81%START時価総額(2026-03)336億円収録銘柄77収録発行額(判明分)3,235億円募集中7START上場7銘柄
▲赤=増加/出所: 業界公表値・当サイト集計
実務者向け
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分配金はいつまでに払う?鑑定評価は年何回?——不動産ST運用実務の期限とサイクル

2026-07-16 / 読了 8

運用が始まった不動産STでは、分配・鑑定・開示・公表が半年サイクルで回り続ける。法令で一律に決まっているもの、信託約款で決まるもの、実務慣行のもの——期限の性質を区別しながら、運用カレンダーの標準像を整理する。

大原則——「いつまでに」の多くは約款が決める

最初に押さえるべきは、分配金の支払時期や鑑定評価の回数は、法令で一律に定められているのではなく、各商品の信託約款・目論見書で定義されるということだ。したがって実務の正解は常に「その商品の約款を読む」であり、本稿が示すのは公募不動産STで広く見られる標準的なサイクルである。

標準像はこうだ。計算期間は半年(年2回決算)。計算期日(期末)に信託の収支を締め、鑑定評価・NAVを更新し、分配金額を確定して、計算期日から約款所定の期間内(実務では概ね2〜3ヶ月以内)に支払う。ODXの銘柄情報でも基本権利確定日は「半年ごと(例: 4月・10月末日)」、支払日はその約2ヶ月後といった構成が確認できる。

半年サイクルの全体を先に図で示す。以降の各節は、この図の各ステップを深掘りするものだ。

M0
計算期日(決算日)
  • 受益権原簿で「誰に分配するか」が確定
  • 鑑定評価・NAVの更新もこのタイミング
M0–M1
会計数字の確定
  • 会計事務所が信託の計算書類を締める
  • 利益部分と利益超過部分の内訳もここで確定
M1–M2
監査・決算報告
  • 監査法人の監査/受託者の決算報告/AMレポート
M2
分配金の支払い
  • 証券会社経由で投資家へ
  • 利益超過分配があれば元本減少割合をAMがHPで公表
M3
有価証券報告書の提出
  • EDINETへ提出→自社HPに反映して1サイクル完了
これが半年ごとに繰り返される。日付の正確な定義は各商品の信託約款・目論見書が正。
図: 半年決算STの運用サイクル標準像。「M0で権利が決まり、数字は後から追いかけてくる」構造ごと覚えると迷わない。

鑑定評価とNAV——半年ごとの更新が実務標準

鑑定評価書の取得回数にも法令上の一律ルールはないが、公募STの実務では計算期間ごと(=半年ごと)に不動産鑑定士の鑑定評価(または価格調査)を取得し、これをもとにNAV(純資産価値=鑑定評価額等から負債を控除した受益権の理論価値)を更新するのが標準になっている。募集時には有価証券届出書に直近の鑑定評価が記載され、運用中は有価証券報告書とAMの運用レポート、START上場銘柄ではODXの銘柄情報(NAV直近公表値)に反映される。

投資家・実務者にとってのチェックポイントは、鑑定評価の基準時点とNAV公表のタイムラグだ。市況が動いた局面では「NAVは半年前の鑑定に基づく」ことを織り込んで基準価格との乖離を読む必要がある。当サイトのトップページでは上場銘柄の基準価格・NAV・対NAV乖離を収録している。

元本減少割合の公表——分配のつど、AMのウェブサイトで

2026年4月以降、利益超過分配(元本の払戻し)を行う銘柄では、確定申告に必要な「元本減少割合」をアセットマネージャーがウェブサイトで公表する運用が始まった(2026年3月の証券会社通知で告知)。公表の法定期限が一律に定められているわけではないが、投資家の申告実務に間に合う必要がある以上、分配の支払いと前後して速やかに公表されることが商品運営上の当然の要請になる。AMのウェブサイト担当者にとっては、分配スケジュールとHP更新を連動させる新しい定常業務である。

なお、この税制改正対応に伴い信託計算期日・分配金支払日自体を変更する銘柄もある。保有銘柄の分配カレンダーが変わっていないか、AM・販売会社の告知は半期ごとに確認したい。当サイトの分配・元本トラッカーは、こうした通知・公表を記録日つきで収録している。

年間カレンダーの全体像

半年決算の公募STを例にすると、1つの計算期間はおおよそ次のように流れる。期中: 賃料収受・費用支払・物件管理(AM/受託者、常時)。計算期日: 収支確定・鑑定評価/NAV更新。期日後約1〜3ヶ月: 分配金支払、(利益超過分配があれば)元本減少割合の公表。期日後3ヶ月以内目安: 有価証券報告書の提出(監査済み財務諸表つき・EDINET)。これが年2回転する。開示の中身は別稿「不動産STの開示実務」、税務の詳細は「不動産STの税金」、計算期日から有報提出までの決算工程の内側は「計算期日から有価証券報告書まで」で整理している。

SOURCES / 出所

本記事は制度・実務の一般的な解説であり、特定銘柄の推奨・投資助言ではありません。個別の税務判断は税理士等の専門家にご確認ください。

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