2026-07-17 / 読了 6分
2021年、STはついに一般投資家の手に届いた。4月の公募デジタル社債、8月の不動産ST第1号「渋谷神南」——当サイト収録ベースで3銘柄・約31億円という小さな数字から、すべてが始まった。本稿は2026年7月に、当サイトの収録データ(一次資料由来)と公表資料をもとに回顧として執筆した記録である。
2021年4月20日、SBI証券が自社発行のデジタル社債で国内初の一般投資家向け(公募)STOを実施した。基盤はBOOSTRYの「ibet for Fin」。XRP特典付きという実験色の強い商品だったが、「個人がSTを買える」ことを初めて証明した一歩である。
そして2021年8月12日、ケネディクス・リアルティ・トークン渋谷神南が発行を完了する。募集額14.53億円、受益証券発行信託スキーム、三菱UFJ信託銀行(Progmat)——現在まで続く公募不動産STの型は、ほぼすべてこの第1号で確立された。当サイトの銘柄データベースはこの渋谷神南を収録第1号としている。
同年はいちごの第1号(譲渡制限付)も続き、当サイト収録ベースでは暦年3銘柄・判明発行額約31億円。市場と呼ぶにはまだ小さいが、スキーム・基盤・販売網という再現可能な「型」が残った意味は大きい。
流通側では2021年4月に三井住友FGとSBIが大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)を設立し、10月には野村・大和が資本参加して大手4グループ体制に。発行(プライマリー)の第1号と同じ年に、二次流通(セカンダリー)の器の建設が始まっていた——このタイムラグ(START開業は2年後)が、のちの「発行は伸びるが流通が薄い」という市場構造の伏線になる。
本記事は制度・実務の一般的な解説であり、特定銘柄の推奨・投資助言ではありません。個別の税務判断は税理士等の専門家にご確認ください。